「もっと愛して欲しい」では愛されない！？

「もっと愛して欲しい・・・（＝愛されていないと感じている）」という悩み、結構ありますよね。心理カウンセリングでもこういった相談があります。中には「もっと愛して欲しいって彼（夫）に言っているのに、ちっとも愛してくれません」というものもあります。

心理カウンセラーとしてだけではなく、ひとりの人間としても、『誰の人生においても“愛”は最も大切なもの』であると思います。しかし、この「愛して欲しい」について間違った使い方をしたり、それに振り回されたりする人が、かなりいます。

恋人同士・夫婦間の愛もあれば、親子関係の愛もあります。言葉で伝える愛もあれば、行動で示す愛もあります。優しく接するのが愛の時もあれば、あえて厳しくしたり、突き放すのが愛の時もあります。さらには、平和を願う心や友愛もあります。これも全部「愛」です。一口に「愛」と言っても、『その人（状態や条件）によって変わってしまうもの』であるのが愛のちょっとややこしいところ。

愛とは、優しいとか、思いやりとか、慈悲とか、いろんな要素を含んでいますから、単に「愛して」とだけ言うと、身近でありながらひどく漠然としたものになりがちです。基本的には、あなたが愛だと思うものが愛、それでいいと思います。ただ、それが「相手にとって同じとは限らない」こともあるのです。それを理解していないから問題となるのです。

だから「もっと愛して欲しい」と思っても、パートナーが考える愛とは違うことも十分あるわけで、そうなると愛の形が食い違ってうまくいかない、愛されない（愛されているように思えない）、なんてことが起こるのです。

でもって、心理カウンセリングで「では、愛して欲しいというのは、具体的にどうして欲しいのですか？」と聞くと、

・もっと優しく接して欲しい・・・
・もっと一緒にいて欲しい・・・
・もっと家事を手伝って欲しい・・・
・もっと話を聞いて欲しい・・・

いろいろ出てきます。そして、一つではなく、3つ4つあることも、よくあります。じゃ、そのことをちゃんとパートナー（もしくは親）に伝えていますか？と聞くと、大抵は伝えていない、もしくは言い方が悪くて伝わってないのです。つまりは「愛して欲しいけど、ちゃんとパートナーに伝わっていない」というのが問題だったりもします。

そりゃそーでしょ。漠然としすぎて、具体的じゃないんですから。ことさら男性には伝わりませんがな。

だからね、「もっと愛して欲しい・・・」と思うのであれば、『具体的にどうして欲しいのかをちゃんと伝えること』なんです。そこがちゃんと伝わって、実際の行動に結びつくと『愛されている』って実感が湧いてくるのです。ですから、「もっと愛して欲しい」は愛情面の問題であるようで、単にコミュニケーション上の問題だったりもします。

また、「愛され妻」とか「愛されるための〇か条」みたいなノウハウを時折目にしますが、なんか根本的なものを間違ってね？って感じのものも少なくありません。恋愛初期のような情熱的な愛情、愛され方は長続きするものではありません（だいたい3か月～長くて3年）。その後は恋愛だろうと結婚だろうと、「お互いに深めていくもの」へと変わっていきます。

一方的に頑張れば愛されるものではありませんし、都合よく一方的に与えられるものでもありません。でも、その一方で、ちょっと冷えてしまったと思っても、お互いにその気さえあれば、いくつになっても深めていくことができるのが「愛」です。パートナーから大切にされていることや思いやりなど、有形無形の全てを含めて「愛されている」という表現になるのです。

もし、あなたが「愛されていない（気がする）」のなら、具体的にして欲しいこと（orやめて欲しいこと）が必ずあります。だから漠然とした「もっと愛して」ではなく、『して欲しい（やめて欲しい）ことを具体的に伝える』方がいいのです。

小さなことでいい、一つずつ積み重ねていくことが愛を深め、「愛されている」を強めてくれるのです。ことさらパートナーとの愛とは何かと引き換えに得るものではなく、「お互いを循環するもの」なのです。

何か愛が足りないと感じるなら、この辺りを見直してみましょう。そして大人のいい女、「本音で愛さる女性」になりましょう。

本日もブログをお読み頂きありがとうございましたm(_._)m