「親の責任」と「大人の責任」
悩みを解決するために「子供の頃の親との関係を見直す」シリーズの第3回目。「親の責任」とは何か考えてみましょう。それは、あなた自身の過去の問題を解決することにもつながります。
心の悩みや問題は子供の頃の親との関係が原因であることが多いのですが、これを解決するには「毒親かどうか?」ではなく、「親としての責任」そして「ひとりの大人としての責任」とは何かを正しく理解し、『自分は幸せなる』と決めて、そのために必要な行動をとることです。
そしてまず、「親の責任とは何か」、「本当に子供が無理して我慢したり頑張らなければいけないのかどうか」を考えてみましょう。
「親の責任」とは二つあります。ひとつは「大人としての自分に対する責任」であり、もうひとつは「親としての子供に対する責任」です。責任と言うと思い感じがするかもしれませんが、『自分を大切にすること』『子供を大切にすること』です。
ひとつめの大人としての自分に対する責任とは、「親自身がひとりの人として、自分らしく幸せに生きること」です。
これは何事も自分(親)優先で子供をないがしろにしろ、と言っているのではありません。それでは自分のことしか考えない毒親です。
子供は最も身近にいる大人=親からの影響を最も強く受けます。子供に対して悪影響を及ぼすこともあれば、最もよい影響を与えることがあるのが他ならぬ親なのです。
もし親がいくら子供のためと思っていても、不機嫌でしかめっ面でちっとも幸せでない生き方をしていたら、それは子供にかえって悪影響を与えることになります。
一方で、親自身が何か打ち込むものを持っていたり、夫婦仲や自分の親子関係が良かったり、(自分の)目標に向かって頑張っていたり・・・時に苦労することがあっても、活き活きと笑顔で人生を楽しんでいたら、それだけで子供に良い影響を与えることが多いのです。
でもね、「完璧な親」でなくていいんです。というのも、実際心理カウンセリングで「もう一度子供に戻って、自分の好きな親を選べるとしたら、どんな親がいいですか?」と聞くと、「家事なんか抜けてていいし完璧でなくていい。いつも笑顔で、ちゃんと話しを聞いてくれたり、一緒に遊んでくれたりする親がいい」と、ほとんどの方がそう答えられます。
つまりは親自身が「自分の問題を解決し、幸せな人生を作る(作ろうと努力する)」ことが大切なのです。それは自分のためであるようで、子供のためにもなる、ということなのです。これは一人の大人として、親として、妻(夫)として、様々な役割を担うからです。
次に「子供に対しての責任」とは、「子供が安全で安心できる環境を整え、その心身を健康に育むこと」です。こちらの方は一般的で分かりやすいでしょうか。
親という字は「木の上で立って見る」と書きますね。自由にさせつつもしっかりとその行動には目を光らせ、そして、もし子に危険が迫った時には真っ先にかけつける、そんな存在であることを意味しています。
自由にさせるといっても、甘やかすとか放任とかではありません。子供にとって安全な環境を整え、子供を適切適度にコントロールしつつ、「していいこと」「してはいけないこと」を教える(=しつけ)、ということ。
それが『適度』ではなく、「コントロールしすぎ」になったり、「過干渉」になったり、「してはいけない事ばかり」になるから問題になるのです。
そして、教えるといっても、学校の勉強みたいに知識を詰め込めばいい、というものではありません。「愛し愛されることの大切さ素晴らしさ」「自分や家族を大切にすること」「家庭内の順位やルール」「他人を尊重すること」「自立(自律)」「自由」etc・・・そういったことを『日常生活を通して親が身をもって示していく』ことです。
これは「大人としての自分に対する責任」で挙げたように、親が自分自身の問題を解決して幸せに生きることをしないと(もしくはそうなるような努力をしないと)出来ない事です。
こういった「いい影響」を親から受けていると、大人になってから恋愛結婚も仕事も人間関係もうまくいきやすく、自然と悩みとは無縁の幸せな人生になりやすいのです。
もちろん、親も完璧な存在ではありません。最低限でいいから親から良い影響を受け、子の心身が健康に育てば、「親の責任は果たしている」と考えていいと思います。
それとは逆に、肉体的精神的虐待や酒乱といった毒親のように、子供の安全が脅かされたり気持ちを踏みにじったり恐怖を与えたりするのは「親の責任を果たしていない」ということです。
では、親が「たまたま」自分たちの問題を抱えていて余裕がなく、結果的に子供の心が傷ついてしまったり、子供が要らぬ我慢や無理をするしかなかった、としたらどうでしょう?
また、親自身が問題を抱えているがゆえに過干渉やコントロールで子供を苦しめ、自主性や自立を妨げているとしたら、どうでしょう?
それもまた子供の心が健康ではないことを意味しますから、親にそのつもりはなくとも「親の責任を果たしていない」のです。もちろん、これで親を責めろとか責任を問え!ということではなく、あくまで「辛かったのは子供(あなた)の責任ではない」なのです。
また、夫婦仲が悪いのに「子供のために離婚しません」というのはどうでしょう? 本当に「子供のため」になっているのでしょうか?
もしそれが表面的には取り繕っていても、夫婦仲が冷え切って冷戦状態となれば、子供も何かおかしいと気付きますし、間違いなく(大人になってからの恋愛結婚、夫婦関係)に悪影響を与えます。中には「自分は苦労したくないから」という方もいますが、これがいちばんよくないです。
夫婦仲の悪さを延々を見せつけ、ギスギスした家庭で子供に緊張を強いるくらいなら、とっとと離婚して忙しくとも笑顔とともに精一杯の愛情を注ぐ母親の方が、よっぽど子供のためになるものです。
もちろん収入面を考え、子供に苦労かけたくない、生活を安定させるために仕方なく・・・ということもあります。ですから、ちゃんとそのバランスを取ることも大切です。
「子供のため」というのなら、その辺も考えつつ、夫婦関係を改善するか離婚するかして、子供が安心できる環境を整えるのが必要だし、それが親の責任でしょ?ってことです。
子供の頃、親が不仲とか関係がギクシャクして、それで嫌な思いをしたとか緊張を強いられた・・・なんてことがあったら、それはあなたのせい(子供の責任)ではないのです。あなたはそのことで頑張るのではなく、これからは自分自身のために頑張ればいいのです。
恋愛結婚・仕事・人間関係などの悩みや生き辛さなどを解決するために、子供の頃の親との関係を見直すことは「大人としての自分に対する責任」でもあるんです。
子供の頃、家庭環境や親の理不尽が原因で起こった嫌なことは「子供の責任」ではなく「親の責任」です。だから、あなたもそのことで大人になってからも自分を責めたり、無理や我慢を続ける必要は全くありません。さっさとやめていいのです。
同時に大人になってからの恋愛結婚・仕事・人間関係などの悩みや生き辛さなどの原因が子供の頃の親との関係にあったとしても親にその責任は一切ありません。そのことを親のせいにしたり、非難するのは筋違いです。
それは、たとえ原因がそうだとしても、大人になってからは自分で考え自分で行動しているのですから、自分のすること(orしないこと)は自分の責任であり、全て「自分自身の問題」なのです。そこに原因があっても子供の頃と違って「自分で解決」しなくてはならないのが大人です。
それには「人生で起こる様々なことに対し前向きに考えて建設的な答えを出すこと」そして「自分の悩みや問題を解決したり解決のための努力をすること」の両方が必要です。
そして人生の目的は「幸せになる」こと。つまり「ひとりの大人としての責任」とは『自分自身の人生に責任を持つこと』そして『自分自身の問題を解決して幸せに生きること』なのです。
それは、もしあなたが親になった時(既に親になっている人も)、子供にも良い影響を与えることなのです。
本日もブログをお読み頂きありがとうございましたm(_._)m
「悩みの原因となる子供の頃の親子関係を見直す」シリーズ
・心理カウンセリングで親との関係を重視する理由とは
・悩みの原因となる「子供の頃の親子の問題」はなぜ起こったのか
・「親としての責任」と「大人としての責任」(この記事)
・「子供の頃の親子関係」を見直して得られるもの
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