[公開]:2025/06/08

「職場の『困った人』をうまく動かす心理術」が炎上した理由

今年4月中ごろ、「職場の『困った人』をうまく動かす心理術(三笠書房)」という本が、『障害者差別を助長する』とSNSで多くの批判・非難を受け、炎上しました

内容的にみると、確かに「これはちょっと・・・」という表現もありますが、同時に「これは必要、大切」という部分もあります。

また、批判として「行き過ぎ」なものもあり、こういったことによくある「落とし穴」もあります。

そのあたりも含め、私の見解を述べていきたいと思います。

 

で、その話題(?)となっているのがこちらの本。

職場の「困った人」をうまく動かす心理術
職場の「困った人」をうまく動かす心理術
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目次が公開されているので、どういう内容の本なのか分かると思います。

 

この本、『SNSの事前告知』が火種となり、「発達障害やADHDの人を困った人にしている」「動物に例えて揶揄している」として炎上しました。

この炎上ですが、「事前告知の段階」なので、ちゃんと内容を理解した上での批判・非難とはちょっと言い難いでしょう。


で、肝心の内容について。

帯には「なぜ、いつも私があの人の尻拭いをさせられるのか」というキャッチコピーがあります。

人が興味を持ってくれるよう、インパクトがある/キャッチーなものを狙ったのだと思いますし、実際(困った人の尻拭いをさせられるとか)そういうこともあります。

が、本の帯としてはどうなんでしょ?

「こんな対処法があります」とはっきりわかるコピーの方がわかりやすいし、好感が持たれるのでは???


職場の「困った人」をうまく動かす心理術(帯付き)

 

次に、タイプ分けするのはいいのですが、「ASDタイプ」「ADHDタイプ」などと医療用語で紐づけしてしまっています。

これは誤解を招きやすい表現かと思います。

発達障害やADHDは困った人」と、「困った人の中に発達障害やADHDの特徴を持った人がいる」では全く意味が違います。

発達障害やADHDと診断されても、社会に問題なく適応している方も沢山おられますし、必ず「困った人」になるわけではありません。

SNSでは作者が「前者だと決めつけている」として炎上しましたが、こういった表現から、パッと見て、そう思ってしまう人も少なくないと思います。

作者も出版社も後者を意図しているようですので、それならもうちょっとネーミングを考えるべきだったのでは?と思います。

 

ちなみに、「タイプ分けしているのに、対処法がないタイプ」があって、これはダメでしょ。

なぜタイプ分けの中に入れたんだか・・・

 

次に、イラストについて。

最初、これは過剰反応ではないかと思いましたが、これは見方が分かれますね。

「困った人だけ」が動物のイラストで描かれています

 

私も経験ありますが、職場の「話が通じない困った人」って(会話が成り立たないので)こういう感じ、なんですよね・・・

なので、「困った人」を表現するうえで、分かりやすいといえば分かりやすい。

でも、「困った人」を相手にしたことがない人は、「悪意がある」と感じる人も少なくないと思います(なので炎上)。

 

それと、あくまで「困った人を動物で表現」であって、「発達障害やADHDの人を擬人化したのではない」というのも、ややこしいポイント。

どっちから見るかで、完全に意見が変わる(割れる)でしょう。

先のタイプ分けもあって、これもそう思わせてしまう要因でしょう。

なので、「SNSの批判は的外れ」とも言えるし、「そう感じても仕方ない」とも言えます

 

結局、コンプラ的にどうなのよ?といえば、グレーなのかと。

というのも「擬人化することがダメ」というのなら、擬人化したものが出ている作品は全て禁止しなければいけないからです(でないと不公平)。

でも、もしそうなったら、かなりの数の本(挿絵)はもちろん、アニメやコミック、幼児向け番組が消えますね・・・

 

では、出版元の三笠書房の公式会見を見てみましょう。

三笠書房サイトお知らせ「神田裕子著『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』について

中でも、

職場や組織に「困った人」が少なからず存在する現実に基づいて執筆

・「困った人」をどのように受け止め、いかに上手に付き合うかという点を基本的な視点としている

というポイントが重要かと思います。

 

実際問題として、社会の「困った人」はパワハラ・セクハラ・カスハラだけではなく、この本で取り上げられているような人たちがいます。

それはパワハラ・セクハラほどではないにせよ、結構大きな問題になることもあります。

中にはこういったことが原因で憔悴し、追い詰められ、心を病んでしまうこともあります。

SNSにはそういう意見(事例)も寄せられていました。

 

ですから、そういう「困った人にどう対処したらいいか」は、必要なこと、大切なことです。

これを否定してしまっては、「困った人に困らせられている人」への救いがなくなります。

こういった問題提起をし、対策(対処方法)を挙げている点は評価すべきだと思います

 

なので、「私の」この本の結論としては「改善したほうがいいと思う点はあるが、評価できる点もある」です。

そしてSNSでの炎上は「ちょっと行き過ぎ」ではないかと思います。

 

もちろん、どう思うかは個人の自由です。

個々の好き嫌いは尊重されるべきですし、受け入れられない、という人もいて当然です。

それを否定するものではありません。

 

同時に、この本が必要な方も沢山いると思います。

そういった方は、これらのことを踏まえて読んでみるといいかと思います。

 

↓続きというか、こういう時に必ずと言っていいほど出てくる問題について

 

本日もブログをお読み頂き

ありがとうございましたm(_._)m

心理カウンセラー・らぶさん印

 

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