[公開]:2017/06/07

「自己啓発」やってはいけない!?

一口に心理・メンタルと言っても、その全てが同じ考え方・やり方ではありません。はっきし言って、それぞれ違います。

そして、それは大きく『セラピー(心理カウンセリング,心理療法)系』と『自己啓発系』とに分けられます。どちらも恋愛結婚・仕事・人間関係など、幸せな人生や自己実現のためには必要なものですが、向き不向きがあります。

使い方を間違えると効果が出ないばかりか、かえって苦しくなってしまう・・・なんてこともあります。では、それぞれ何が違うのでしょう?

「自己啓発」をググってみると、「本人の意思で自分自身の能力向上や精神的な成長を目指すこと。また、そのための訓練(デジタル大辞泉)。」「仕事に関する知識,技能,経験などを他律的な形式に支配されずに自主的に向上,啓発していくこと(ブリタニカ国際大百科事典、一部抜粋)。」とあります。
「自分自身の能力を高める」とか「精神的な成長を目指す」こと、特に社会的・ビジネス的な成功を目的としたメンタルトレーニングみたいなもの(成功法則?)が「自己啓発」と呼ばれることが多いようです。

とは言うものの、こういう要素は「心理カウンセリング」にもあります。なので、大きなメンタル(心理)の分野の中に「セラピー(心理カウンセリング,心理療法)系」と「自己啓発系」がある、と思ってください。

そして、その違いですが、「“ポジティブになるため”か“ネガティブをなんとかする”の違いでしょ?」と思ったアナタ!半分正解(笑)

自己啓発はまず、目標達成したり願望達成(夢を叶える)ことを目的として「考え方」や「行動」を変えていきます。

その中にモチベーションを上げたり、ポジティブになる(考える)などが入ってきますが、ネガティブな感情に起因するメンタル的な問題は取り扱いません(というか取り扱えません)。「現在のことと未来のことをやる」というところ。

書籍で言えばジェームス・スキナー「成功の9ステップ」、ナポレオンヒルの「思考は現実化する」、最近ではアドラー心理学の「嫌われる勇気」などです。

 

加えて「あなたがうまいかない原因はこれだ!」とか、「手放せばいい」「なればいい」「マイナス(嫌)な出来事はギフト」・・・みたいな言い方をよくします。

しかし、あくまで『考え方』であり、結果論であったりと、具体的な解決策とはならないこともよくあります。下手をすると「出来たらいいよね~・・・」という、おとぎ話で終わってしまうことも(汗)

 

では、自己啓発は役に立たないのか?というと、そうではありません。現在「仕事で(起業して)ある程度の結果・実績を出している人」で、「さらなるステップアップを望んでいる」「メンタル的な問題がない」「新しい考え方や価値観をすぐに受け入れられる」「即行動・実践できる」、さらに「自分で使いやすいようにアレンジできる柔軟性を持っている」という人なら役立ちます。

何故なら自己啓発は「目標達成の過程における問題は自分で見つけて自分で解決する」が原則というか前提となるからです。

 

はい?そんなのムリムリ・・・ってそうなんです。自己啓発のハナシはどれもワクワクしてきて魅力的なのですが、間口が広いように見えて、実はかなり限定された人にしか向きません。例えば、現在年収600万あり、これを1000万にしたい!、サラリーマンなら昇進したい!レベルアップできるような転職したい!というような人向け。

これに対して心理カウンセリング(セラピー・心理療法)では「今あるメンタル的な問題・悩みを解決する」が主で、これに付随して考え方や行動を変えていきます。さらにそこに「癒し」も入ってきます。

ネガティブな感情に起因するメンタル的な問題を主に取り扱いますが、「ポジティブ的なことをやらない」ではなく、「やる人が少ない」だけです。それと、こちらは「現在過去未来」全てやります。

ややこしいのは、セラピーやカウンセリングと言いつつ、やっていることは実は自己啓発だった・・・なんてこともあるところでしょうか。

また、自己啓発は実際やってみると、一時的にモチベーションが上がったりポジティブになるのですが、暫くすると元に戻ってしまったり、中には苦しくなってしまう人が結構いますが、これには理由があります。

行動が起こせないとか、行動すると苦しくなるというのは、過去の記憶(イメージとそれに付随する感情)からくる不要な思い込みや価値観が原因です。

自己啓発では「思い込みや価値観を変えればいい(=そのために考えて行動してね!)」というような言い方をしますが、心理カウンセリングでは、それ自体を問題として解決していきます。

誰もが大なり小なりポジティブとネガティブが混在した状態にあります。一見、ポジティブを大きくしちゃえば、ネガティブが消えるんじゃ?と思いがちですが、そうではありません。

自己啓発でポジティブを大きくしていくことは可能ですが、実はネガティブな部分は殆ど変わりません。ポジティブ・ネガティブは「表裏」ではなく、それぞれ目的が違い、それぞれ必要だからあるのです。ですから、それぞれに合った対処をしていかなければならないのです。

これは、自己啓発系(及びセラピー/カウンセリングといいつつ自己啓発となっている)の人で「私にはブロックがありません」とか豪語している人ほどバリバリにブロック抱えて問題だらけ・・・なんていうことがよくあるからです。自覚しないのがブロックが無いってこと?みたいで、思わず( ゚д゚)ポカ~ン・・・でしたが(笑)

 

自己啓発はクルマで例えるなら、今までアクセルを半分しか踏んでいなかったものを、アクセル全開で走るようなもの。当然目的地に早く到着できますね。ただし、他に何も問題なければ。

しかし、左足でブレーキを踏んだままだったり、実はトランクには重い不要な荷物を満載していたらどうでしょう?効率悪いですし、下手をすると壊れてしまいます。

心理カウンセリングでは、まず「ブレーキを外しましょう」「思い不要な荷物は捨ててしまいましょう」から始まります。次にアクセルが何故踏めないのか、それともアクセルが壊れているのか、問題を一つずつ解決していきますので、無理がありません。

「とにかくアクセル踏んでいないことに気付きなさい。そしてアクセル踏みなさい。そうすれば目的地に早く着くでしょ?なぜそうしないの?考え方と行動変えましょうね。」が自己啓発です。

別に自己啓発をやるな、ということではありません。自己啓発は魅力的でワクワクしやすいものですが、その反面、合う人合わない人がはっきり出ます。その点をよく注意し、理解してやってくださいね、ということです。

それと、間違ってはいけないことは「自己啓発すれば成功する」ということではありません。目標達成や願望実現のために自己啓発の内容を「活用する、役立てる」ということを忘れないでください。

 

まあ、成功うんぬんのハナシで「考え方変えましょ」「行動変えましょ」が出てきたら、だいたい自己啓発であり、合う合わないがある、ということは覚えておいてくださいね。それと、目標・目的は自己啓発的で、実際は心理カウンセリングで進めていく、というのが一番いいやり方ではないかと思います。

 

「自己啓発」やってはいけない!?

 

本日もブログをお読み頂きありがとうございましたm(_._)m心理カウンセラー・らぶさん印

 

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